2月2日のザ!世界仰天ニュースで放送される、頭が太ももについた状態で固まってしまい、折り畳み人間と呼ばれた中国人男性リー・フア(李华)さん。
今回はそのリー・フアさんについて書いていきたいと思います。
リー・フアさんは一体なぜ折り畳み人間と呼ばれるようになったの?
強直性脊椎炎とはどんな病気?
スーパードクターがした奇跡の手術とはどんな手術?
リー・フアさんは今現在はどうしてる?
というあたりを、番組を見ないけど予告で気になった方、番組を見逃したり途中で離脱した方、見たけど復習したい方向けにまとめてみましたので、よろしかったらご覧ください。
リー・フアさんは一体なぜ折り畳み人間と呼ばれるようになったの?
リー・フアさんはなぜ折り畳み人間、あるいはペンナイフ男(折り畳みナイフ)と呼ばれるようになったのでしょうか。
中国・湖南省永州市出身のリー・フアさんは、18歳のときに関節の痛みやこわばりで苦しみ、慢性炎症性疾患の「強直性脊椎炎」と診断されました。
初期で効果的な治療を受けられなかったために、徐々に背中が曲がり、太腿と顔の間の間隔が1.86センチまで縮まってしまい、頭が太ももについた状態になってしまいました。
この動画の28秒ごろに病気になる前のイケメンだった姿が見られます。
中国語で英語字幕ですが、手術時の映像も見られます。
強直性脊椎炎とはどんな病気?
強直性脊椎炎とはどんな病気なのでしょうか。
強直性脊椎炎とは、日本では難病指定されている病気です。
手足の小さい関節から発症することが多い関節リウマチとは異なり、脊椎や骨盤の 炎症 が主体となる原因不明のリウマチ性疾患です。手足の大きな関節(股、膝、足、肩など)も罹患する場合があります。
脊椎周辺、すなわち腰背部、殿部、項部、時に股関節や膝関節の疼痛、全身のこわばりや倦怠感、発熱などが主な症状で、病状が進むにつれて次第に脊椎や関節の動きが悪くなり、20~30%の症例では、脊椎が骨性に固まって動かなくなる、すなわち強直を生じることがあります(竹様脊椎bamboo spine)。難病情報センターより引用
日本では諸外国に比べ患者数の割合が少ないそうなので、日本人にはあまり馴染みのない病気かもしれません。
女性より男性、中高年より40歳以下の患者が多いそうです。
原因ははっきりとわかっていませんが、家族内での発症がより多いので、遺伝がある程度関係していると考えられています。
治療法は運動療法・薬物療法を基本とし、日常生活や歩行に支障が出るほどの症状がある場合は、手術療法がおこなわれます。
この病気が直接命を脅かすことはありません。
スーパードクターがした手術とはどんな手術?
それでは、リー・フアさんが受けたスーパードクターの手術とはどんな手術なのでしょうか。
簡単に言うと、一度骨折させてからの再建手術です。
リー・フアさんが手術を受けたのは、広東にある深セン大学総合病院です。
スーパードクターとは脊柱骨病科主任、陶(タオ)教授。
陶教授は30年にわたり脊椎の手術を行ってきた大ベテラン。
3か月半の念入りな準備期間を設け、手術に挑みました。
リー・フアさんの心臓と肺への圧力が軽減されない場合、リー・フアさんの命が脅かされるという危険な手術。
2019年の8月~10月の間に4回に渡る手術を行い、リー・フアさんの脊椎全体を大腿骨、頸椎、胸椎、腰椎の4つにわけて骨折させ、脊椎をまっすぐに再建しました。
陶教授は、手術後以下のように語りました。
「リーさんの脊椎の変形は重症で、あのまま放置すれば心臓や肺に負担がかかり、次第に臓器不全で死に至っていたでしょう。手術はエベレストに登るようなもので非常にリスクが高いため、入念な準備と高いスキルが必要でした。今は無事成功してホッとしています」
かなり高リスクな手術でしたが、スーパードクター・陶教授は見事に成功させました。
28年ぶりに、リー・フアさんは直立することができたのです。
そして今現在はどうしてる?
リー・フアさんは、手術を成功させ、今現在はどうしているのでしょうか。
リー・フアさんは手術後、7か月のリハビリ期間を経て、2020年6月に退院。
リハビリを続けながら、故郷で小さなお店をオープンさせました。
Man folded in half by arthritis stands up straight after 28 yearshttps://t.co/SVRgMDada7 pic.twitter.com/u74SvOkdXi
— YOU Magazine (@YouMagazine) December 29, 2019
本当に良かったですね。
20年以上も仰向けで寝ることができなかったので、喜びもひとしおのようです。
リー・フアさんは、病気を克服した喜びと陶教授への感謝とともに、お母さんに向けてこう述べています。
「手術が終わって初めて母を初めて見た時、『ああ、母は私の世話をしてこんなに年を取ってしまったんだ』と胸が詰まりました。今までは母の顔を真っ直ぐ見ることはできませんでしたからね。母が諦めないでいてくれたことで、私はここまでやってこれたのです。これからは母に恩返ししたいと思いますよ。」
おわりに
ザ!世界仰天ニュースの予告を見て、頭が太ももにくっついた状態になっている、衝撃的な映像が印象に残った方も多いと思います。
ですが、スーパードクターに助けられ、無事に手術が成功し退院できたことは、リー・フアさんやお母さんにとって幸運なことだったと思います。
それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました!