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コスプレ著作権ルール化!YouTubeやイベント参加は大丈夫?違反の事例も紹介

先日、コスプレ著作権のルール化がニュースになりました。

日本のアニメは今や世界中で人気があり、一つのカルチャーとして定着し、コスプレイヤーも世界中で増えています。

そこで、政府が著作権トラブルを防ぐために法整備をするというニュースです。

この辺は今まで、同人誌などの二次創作とともにグレーな部分や、目を瞑られてきた部分もありましたが、今回のルール化で明確にされる部分が出てくるでしょう。

コスプレは非営利目的なら著作権法に抵触しないと言いますが、それでは、現状のコスプレイヤーのこんな活動はOKなのか?NGなのか?を検証し、今後のルール化とも絡めてまとめていきたいと思います。

 

具体的には

コスプレ著作権のルール化とは?

YouTubeやSNSにコスプレ姿を投稿するのはOK?

コスプレしてイベント参加はOK?

その他の違反事例

などなどを調べていきます。

コスプレ著作権のルール化とは?

コスプレ著作権のルール化とは?

今回のニュースについて詳しく調べてみました。

政府はコスプレの海外展開を後押し、ということなので、コスプレ自体がやりにくくなることは無く、「コスプレ文化に水を差すことなく著作権を保護する道」を探るというもの。

今のところ法改正は想定しておらず、著作権使用料が求められる事例を明確にして、啓発する案が浮上する。自民党でも知的財産戦略調査会の山田太郎事務局次長は「双方が安心して楽しめる仕組みが必要だ」として、著作権者を簡単に調べられるデータベースを整備するよう提案している。

つまり、著作権使用料を支払って、双方が納得する形で楽しめるようにする、ということのようです。

YouTubeやSNSにコスプレ姿を投稿するのはOK?

それでは、現状はYouTubeやSNSにコスプレの動画や写真を投稿するのはOK?NG?

YouTubeは、収入を得ているようなものはNGのような気がしますよね。

そして、SNSにコスプレ写真を投稿するのは、おそらくコスプレイヤーの方ならやったことがあるでしょうし、一般の方でもコスプレしたら投稿したくなるでしょう。

これもNGなんです!

YouTubeもSNS投稿も、公衆送信権侵害になるそうです。

公衆送信権とは

著作権者が占有する、著作物について公衆送信を行う権利です。
公衆送信の下位概念には、放送、自動公衆送信及び送信可能化が入ります。
(中略)
つまり公衆送信権には、著作物を放送する権利と、インターネット等でダウンロードや閲覧・視聴ができるようにする権利が含まれます。

今はコスプレイヤー専門のSNSだってあるのに…と思いますよね?(笑)

ただ、収入を得ているYouTuberはともかく、素人の趣味のコスプレまで規制されるとは到底思えません。

ただ、クールジャパン戦略担当の井上大臣の発言から、SNSに写真をアップする時に何らかの制約ができる可能性はありそうです。

「例えば私的使用などの例外を除いて複製等をする場合に著作権者の許諾が原則として必要になるが、キャラクターになり切って写真を撮る場合、あるいはその写真をSNSに載せる場合、またイベント等に参加して報酬をもらう場合、こういった具体的な場面において法的な整理が必要という指摘があります」

コスプレ系YouTuberは今後は著作権使用料を求められるかもしれませんね。

コスプレでのイベント参加

ではコスプレでのイベント参加は?

基本的にはコスプレをすること自体が著作権侵害にあたると言われますが、「私的使用の範囲内」での複製は作者の許可を得なくてもよいと著作権法で規定されているので、問題ありません

仲間内で楽しむ撮影会などもそうですね。

イベントや撮影会は今までのような楽しみ方で変わらなさそうです。

ただこれが、イベントにゲスト出演で報酬をもらうとか、写真集で儲けようとか、撮影会で儲けようとか、お金が絡んでくると話は別になってきます。

私的使用の範囲を超えているからですね。
なので、コスプレ写真集やROMなどは、基本的には著作権侵害に当たります。

一般のコスプレ写真集が著作権で訴えられたことは今までありませんが、政府のルール化により、今後規制の対象になるかもしれませんね。

逆に著作権使用料を払えば、堂々と販売できる日が来るかもしれません!

その他違反の事例は?

その他の事例はどうなんでしょうか。

実際の事件も紹介します。

コスプレ著作権関係、これはOK or NG?

コスプレをしている人なら「これはどうなのかな?」と思う著作権関係のことを、「私的使用の範囲内ならOK」という前提に見てみましょう。

コスプレ衣装を購入する→私的使用ならOK

コスプレ衣装を自分で作って自分で着る→私的使用ならOK

権利者の許可なくコスプレ衣装を製作して販売(複製権・翻案件侵害)→NG

いらなくなった衣装をオークションで販売→私的使用ではないのでNG

本当に規制されるとすれば衣装製作販売のところではないでしょうか。

コスプレで商売するなら、権利者の許諾・ライセンスを取ってやるのが安心ですね。著作権のルール化にあたり、この辺は厳しくなるのではないでしょうか。

逆に言えば、ライセンスを取っている業者だけが販売できる形だと、販売される衣装のクオリティも上がって粗悪な衣装の業者もなくなり、ライセンス料の分だけ値上げはされるかもしれませんが、消費者にはよい事なのではないでしょうか。

現在、コスプレ衣装で権利者から許諾を得て販売している業者はコスパなどが有名です。

コスプレ著作権関係の事件

次にコスプレで裁判や事件になった例を二つ紹介します。

マリオカート訴訟
公道をマリオカートのキャラクターのコスプレをして走るサービスを提供する会社(株式会社マリカー)を、任天堂が訴えた事件。
社名「マリカー」と、利用者にコスプレ衣装を貸与していたという点が不正競争防止法違反や著作権侵害にあたるとされました。

コスプレ衣装販売業者逮捕
2013年に、著作権者の許可を得ずに複製されたと知りながら、ネットショップでコスプレ衣装を販売した男が逮捕された事件。5年間で3億円を売り上げていました。

衣装販売業者なんてたくさんいますが、儲けすぎたのか、見せしめだったのでしょうか?

おわりに

いかがだったでしょうか?

コスプレ自体が著作権を侵害しているなんて、おそらくあまり考えたことがなかった方が多いと思います。

しかし、調べてみると私的使用以外はほぼ違法という結果になってしまいました。
どこまでが私的使用なのか、判断も迷いますが…

それでも何故皆普通にコスプレイベントがあり、コスプレができているのかというと、漫画やアニメなどの二次創作(同人誌)も同じですが、権利者がいちいち訴えない、という背景があります。

例えば、毎年夏と冬に開催されるコミックマーケットなどは、何十万人単位で人が集まり、たくさんの二次創作の同人作家やコスプレイヤーが集まり、市場も大規模になっています。
同人やコスプレが、元の作品の人気を後押ししていることも多々ありますよね。

漫画家などは特に、プロになる前はコミケなどに参加していた方も多く(現役の方もいますが)、そういった二次創作文化には肯定的な方も多いと思います。
漫画やアニメ、ゲーム企業の公式イベントにもコスプレイヤーがいるくらいです。

なので、あまりに目に余る行為(事例で紹介したマリオカート裁判や、コスプレ衣装の違法販売で逮捕など)以外は、今までは著作権は基本的にグレーゾーンとして目を瞑られてきました。

今回のコスプレ著作権ルール化は、趣味でコスプレしている人にはあまり影響はなさそうですが、衣装の業者、イベントの会社、コスプレ系インフルエンサーなど、コスプレで収入を得ている人には何らかの影響がありそうですね。

以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました!